片流れと切妻を合体させた複合型の屋根です。結構な勾配なので、いつもより気を付けて点検を行います。これだけの勾配があれば、水切れは良いはずですがやはり築年数が経つと表面がざらざらしてきて水切れも悪くなります。そのことによって屋根も所々変色していますし、藻も生えています。棟板金の釘も浮いていました。

　お客様は「以前はもっと黒かったし、苔も生えていなかった」とおっしゃていました。恐らく日当たりもよく、紫外線で褪色も進んでしまったのでしょう。勾配に沿って、斑に藻が生えています。屋根がよく見えるだけに確かにこれは気になるでしょう。屋根塗装でしっかりと綺麗にしますからご安心ください。

　足場仮設の様子です。2階建ての建物なのですが、屋根が急勾配なので、その分高さがあり、必然的に足場の高さも上がります。また、高圧洗浄時の水飛沫や塗料を飛散させないためにも足場を高くし、メッシュシートも充分な高さの位置に取り付けます。

　下塗りの様子です。築16年でスレート表面もやや傷みが出ているのでファイン浸透シーラーを使用しました。スレートそのものに染み込み、強くしてくれるという効果があるシーラーです。スレートの素地が見えてしまっている部分が多いことから、結構な傷みだったことが分かります。

　下塗りが終わりましたら、タスペーサーを使って縁切りしていきましょう。縁切りとはスレートの小口に水蒸気や雨水を排出するための隙間を作ることです。この隙間がないと屋根材の下に入った雨水が抜けず、雨漏りに繋がることもあります。このタスペーサーを製造しているメーカーではこうして縁切りをしている業者はまだ少ないのではないかと話しています。自宅をスレート屋根で屋根塗装する場合はタスペーサーで縁切りするかをしっかりと業者に訪ねておいた方がいいでしょう。

　続いては中塗りの工程です。塗料はファインパーフェクトベストを使用しました。ファインパーフェクトベストは紫外線による塗膜破壊を防ぐ機能を持ったラジカル制御形塗料です。よって塗膜の寿命も長くなりますし、色褪せもしにくくなります。こうやって塗っている時にもタスペーサーがしかるべきところに設置されているかを確認していきます。

　今回使用しました色はディープグレーです。日の当たり方によってはライトなグレーにも見えますが、曇っていれば、ご覧の通り、黒にも見えます。落ち着いた色なので、どんな建物にも似合うのがこの色の特徴です。仕上げ塗りが終わり、屋根に輝きが戻りました。

　スレート屋根塗装が竣工しました。屋根を見せることを前提に設計された建物はやはり屋根の美観も気にした方がいいですね。お施主様からは「ご近所の方から屋根が綺麗で素敵になりましたね」と言われたそうです。保証は8年をお付けしましたので、長く安心してお過ごしできると思います。定期点検にお伺いしますのでまた、よろしくお願い致します。