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外壁のコーキング(シーリング)補修工事を徹底解説!役割や費用相場・補修時の注意点
更新日 : 2025年04月30日
更新日 : 2025年04月30日

現在のお住まいの主流となっているのが窯業系サイディングです。
この外壁は幅500mm、長さ3000mm程度の大きさ(製品によって変わります)のボードを組み合わせて造られたもので、必ず継ぎ目部分(目地)が存在します。
ALCパネルの外壁も同じです。
これらの目地に充填されているのがコーキング材(シーリング材)です。
外壁、いやお住まいの中でも最も重要な部分の一つなのですが、
「そもそも何のために施工されているのか」
「劣化してしまうとどのような不具合が生じてしまうのか」
などを知らなければ、多少の劣化は見逃してしまうかと思います。そのメンテナンスの怠りは非常に危険!
そこで今回はコーキング材の役割はもちろんのこと、施工上の注意点等をご紹介したいと思います。
※後ほど解説していますが、「コーキング」と「シーリング」は同じ意味で使用しています。本ページでは「コーキング」をメインに表記しています。
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
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長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!

シーリングやコーキングと呼ばれる充填剤は、サッシ回り、キッチンや浴室などお住まいの水を使用する箇所・水に晒される箇所に使用されています。
このコーキング材の大きな役割は
1. 水の浸入を防ぐこと(防水)
2. 建物の揺れに合わせて外壁材等の破損を防ぐこと(緩衝)
の2点です。


室内では防水機能が重視されますが、外装は常に雨水に晒されていますし、サッシと外壁などの異素材の取り合い部分は隙間が生じやすいためコーキング材が欠かせません。
さらに、窯業系サイディングやALC外壁はパネルタイプの外壁材ですので、目地と呼ばれる1~2㎝の隙間が等間隔に発生します。

コーキングについてのよくある質問①


サイディングやALCを施工されているよりも大きな面積・サイズで製造することは、決して技術的に難しいことではありません。
ただ、大きくなればなるほど運搬しにくくなりますし、寒暖による伸縮があった場合、サイズに比例してそのひずみも大きくなり、クラック(ひびや亀裂)が発生しやすくなります。

適度な大きさのパネルタイプとして製造し、その繋ぎ目に隙間を設けることによって伸縮を制限させない方が、サイディングもALCも長持ちするのです。
そのためサイディングやALCの場合、施工にあたって必ず目地ができます。
この目地と呼ばれる隙間から雨水が入り込んでしまうと、内側の透湿防水シートを傷めやすくなり、雨漏りを起こしてしまう可能性があります。
つまりパネル外壁にとって目地はなくてはならず、コーキング材は目地からの雨水浸入を防ぐために欠かせないのです。

緩衝材としての役割

目地の防水としての役割をメインにご紹介しましたが、コーキングは「緩衝材」としても大切な外壁材を守ってくれています。
コーキング材はシリコン系などの樹脂で作られており、ゴムのように柔らかく弾力があります。
その柔軟性により、建物が揺れた際や気温差で外壁材が膨張・収縮したときの動きを吸収し、外壁材の負担をやわらげる役割を果たします。
見た目にはわからないような微細な動きであっても、コーキングがあることで外壁材同士の干渉を防ぎ、ひび割れや破損のリスクを減らしているのです。
もしコーキングが施工されていなければ、大きな地震の際には振動や強い衝撃を緩衝することができず、サイディングが傷みやすくなってしまいます。
コーキングは常日頃からしっかりと建物を守ってくれている大切な存在と言えるんです。

ALC(autoclaved lightweight aerated concrete)とは
オートクレーブ処理で作られた軽量気泡コンクリートのこと。
不燃材で内部に気泡を含むため、通常のコンクリートよりも軽く、外壁材などに使用される。
オートクレーブ処理とは高圧力をかけて行われる処理のこと。
圧力鍋による調理と同じように高温にできることから、化学反応などを加速させることができる。
モルタル壁でのコーキングの役割

目地や繋ぎ目がない仕上げの外壁としてモルタル壁が知られていますが、こちらはクラック(ひびや亀裂)が入りやすいというデメリットがあり、工程数が多く、高価なことから現在では新築での施工が減っています。
目地のないモルタル外壁だからと言ってコーキング補修工事が必要ないわけではありません。
モルタル外壁にクラックが入ってしまったときには、雨水が入り込まないよう補修をする際にもコーキング材が役立ちます。
クラック補修時は塗装メンテナンスに支障がでないよう、コーキング材の種類に注意します。



コーキング材、シーリング材と2つの名前を聞くこともあり「何が違うの?」と疑問に思う方がいらっしゃると思います。
過去を遡ると、厳密にいえば意味も使用用途も違っていたようですが、外壁塗装・住宅メンテナンス時におけるシーリングとコーキングは同じ意味・材料としてご説明しております。

ウレタン・変性シリコンといったコーキングの種類が重要
コーキング材には多くの種類があり、特性も違いますので当然施工箇所も変わってきます。
通常、外壁に使用されるのはポリウレタン(ウレタン)もしくは変性シリコンですが、ホームセンターで見るとシリコン系やシリコンシーラントと呼ばれる製品も置かれています。

変性シリコンとシリコンは同じようにも感じますが、シリコンですと塗料の密着性が悪く、上から塗り重ねることができません。
これはどれほど時間が経過したとしてもです。
屋根・外壁材にかかわらずコーキング材を使用して補修する際には必ず、コーキング材の種類(特性)を把握した上で使用することをお勧めいたします。

縦目地・横目地
サイディングの場合は縦横どちらか一方におよそ3mごとの目地があると思いますが、これはサイディングが縦張りなのか、横張りなのかによって異なります。
サイディングは長方形ですので短辺・長辺があり、張る向きによって異なります。


縦張り…
長辺が縦向きにある張り方で、胴縁(下地木材)と目地は横向き。
金属サイディングには縦張りが多く、コーキングの施工箇所が少ない傾向にあります。
また目地を設けていない外壁材もあります。


横張り…
長辺が横向きにある張り方で、胴縁(下地木材)と目地が縦向き。
窯業系サイディングの多くは横張りに合わせた製品が多く、バリエーションも豊富です。


ALCに関してはサイディングよりもパネルが小さく厚みがあるため、縦横どちらにもコーキングが施工されているケースが多いかと思います。
コーキングの施工範囲が多いのは

となります。
目地がないというお住まいでも、サッシ廻りにはコーキング材が打設されていますので、コーキング補修工事が欠かせないということを覚えておきましょう。


最も重要な部分の一つであれば、それなりに耐久性があって然るべきなのですが、そうはいかないのも現実です。
コーキングは最も重要な部分なのに、最も傷みやすいという不都合だらけの箇所なのです。
新築時に目地に打設されたコーキング材は建物の立地や環境にもよりますが、短いときには新築から3年前後で、長持ちしたとしても7年位で傷みだし、劣化していきます。
場合によっては外壁塗装よりも先に寿命が来てしまい、コーキングの打ち替えが必要となることもあります。
外壁塗装とコーキングの補修を同時に行うメリット

余分な足場の費用をかけないためにも、できるだけ外壁塗装と同時に工事なさることをお勧めします。
コーキングについてのよくある質問②


横目地(縦張り)と縦目地(横張り)についてご紹介しましたが、共通して言えるのはコーキングが雨水の浸入を防ぐものであり、雨水は上方から流れてくるということです。

コーキング材は高さ3m以上の位置で横一方にありますので、雨水が目地部分を通過する際には目地を通って横走りするのです。
部分的な補修では、また別の箇所で傷んだコーキング部分から雨水が染み込む可能性がありますので、全体的な補修が望まれます。
→3mほど高い場所にあるコーキングをまとめて補修するには足場が必要不可欠です。
部分補修を繰り返して足場を何度も組む費用を考えると、全体をまとめてメンテナンスしてしまったほうがお得ですし、何より施工後の安心感も大きく違います。

高さ2mほどの場所でコーキング材の劣化を見つけたとします。
その部分のみの補修は脚立でも可能ですが、より高い位置で傷んだ部分から雨水が浸入してしまいますので、最善の対策とは言えません。
→縦目地1本の補修であっても、はしごでの補修では安定性が保てず綺麗に施工できない、十分な打設ができません。
また他の縦目地も傷んでいる可能性がありますので足場を仮設しコーキング補修工事を行ったほうが最善です。

☑ 表面の汚れ
劣化によって染み出てきた可塑剤(コーキング材の弾性を保つ成分)に汚れが付着してしまった状態です。
可塑剤はベタベタしているので、すぐに汚れが付着します。

☑ コーキング材の痩せ・硬化
コーキング材から可塑剤が染み出るとその分、痩せてしまいます。
また可塑剤は弾性を保つ成分ですから、滲み出てしまうとコーキング材は硬化します。

☑ ひび、亀裂
ひびや亀裂が表面だけならよいのですが、内部にまで貫通していると雨水が建物内部へ浸入していきます。
すぐに雨漏りするわけではありませんが、建物にとって好ましくない状態です。

☑ 剥がれ、隙間
コーキング材が痩せて、外壁から剥がれてしまい、隙間ができています。こちらはサイディングに雨水が浸透していきますので、反りや膨れの原因となります。
また、外壁の内側へも雨水が浸透していきます。

☑ 剥落
完全に硬化してしまい、ボロボロと崩れ落ちている状態です。
コーキング材が完全になくなってしまい、奥のバックアップ材が見えているものを見かける時もあります。
早急な対処が必要です。

一つでも当てはまるものがあれば、コーキングや外壁の補修時期に来ています。
街の外壁塗装やさんにご相談ください!
街の外壁塗装やさんは無料で点検を行い、お住いの最適なメンテナンス方法をご提案いたします!

コーキングの施工不良がもたらす劣化症状に注意
コーキング工事は、見た目以上に繊細な作業です。
適切な施工がされていない場合、すぐにひび割れが起きてしまったり、早期に剥がれてしまったりと、想定よりも早く劣化が進む恐れがあります。
たとえば、以下のようなケースは施工不良の原因となります。
- ☑ コーキング材の充填量が不足している
- ☑ 外壁材と相性の合わない材料を使ってしまっている
- ☑ プライマー(接着剤)の塗布が不十分
- ☑ コーキングの基本である「2面接着」が守られていなかった
輪ゴムの劣化を見たことがあるでしょうか
こうした不具合があるとコーキング本来の性能が発揮されず、防水性が失われてしまうだけでなく、雨水の影響から外壁材の傷みに発展することも考えられるのです。
特に、施工から間もないうちにひび割れが発生した場合は、施工不良の可能性が高いといえます。
そのため、外壁のコーキング補修工事を依頼する際には、しっかりとした技術と知識を持つ信頼できる業者を選ぶことがとても大切です!


劣化を防ぐ成分が含まれていないわけではありませんが、こちらも紫外線、雨、寒暖にさらされているうちにどんどん消費されていきます。
安価なコーキング材は柔軟性を保つために【可塑剤】という成分を含んでいます。
実は皆さんの生活の中でもクロスやクッションフロアー、輪ゴムなど身近なものにも含まれているのですよ。

輪ゴムの劣化を見たことがあるでしょうか。
まず表面に可塑剤が染み出してきて、ベタベタしてきます。
こうなるとお部屋の埃が付きやすくなり、かなり汚くなります。
染み出した可塑剤が乾燥してしまうと、今度は弾力性がなくなっており、引っ張ると伸びずに簡単に千切れてしまいます。
コーキング材も全く同じです。
表面に可塑剤が染み出してきて、ベタベタするようになると汚れが付着し、その後は弾性がなくなり、痩せてひびや亀裂が入り、裂けて剥落していくのです。


紫外線、雨、温度変化、経年など様々な要因で添加された製品から分離していく。
この分離現象を「ブリード」と言い、汚れやすくなるだけでなく、痩せて硬化が進むのでコーキングにひびや亀裂、割れ、裂けが発生する。
外壁材等に染みつくため、洗っても落ちるものではなく住まいの美観性を著しく損ねます。
ブリード現象の発生を防ぐ方法としては一つ、可塑剤が含まれていないノンブリードタイプのコーキング材を使用するということです。
コーキングについてのよくある質問③


コーキング補修工事時の工程は
下地清掃・コーキング撤去 → 養生 → プライマー → コーキング材打設
になります。この工程で最も難しいと感じるのは養生です。

この工程を確実に行えなければコーキング補修工事は綺麗に仕上がらず、隙間もできる可能性がありますし、マスキングテープを剥がす際に外壁を汚してしまうこともあります。
プロにお任せしたほうが安心です。

コーキングについてのよくある質問④


費用の関係でコーキング補修工事のみを行うという方も、もちろんいらっしゃいます。
というのも、コーキング補修工事には足場が必要です。
足場を仮設する必要がある時点で費用もかかり、塗装の際にはまた足場を仮設しなければならないため、できれば一度で住宅メンテナンスを終わらせてしまったほうが良いでしょう。

また、打ち替えた新しいコーキングをすぐに塗装することで、日光や雨水の影響による劣化から保護する効果もあります。

長寿命なコーキング材「オートンイクシード」
「オートンイクシード」は、通常のコーキング材に比べて非常に長い寿命を誇ります。
一般的なコーキング材の耐用年数が5年から10年程度とされる中で、オートンイクシードはおよそ30年の耐久性が期待できるとされています。

「ブリード現象」を起こさないノンブリードタイプ
耐久性の高さの理由のひとつが、先ほどご紹介した可塑剤を含んでいないことです。
オートンイクシードは可塑剤を使用していないノンブリードタイプの商品であるため、ブリードによる劣化が起こりにくく、長期間にわたって柔軟性や弾力性を保つことができます。

外壁材にしっかりと密着し、建物の動きに対応
オートンイクシードは外壁材への密着力が非常に高く、気温や湿度の変化によって建物が動いた際にも、その動きにしなやかに対応できる高い耐ムーブメント性を備えています。
そのためコーキング部分の割れや剥がれが起こりにくく、外壁の防水性や美観を長く保つことが可能になります。
また、紫外線や風雨といった過酷な環境下においても、その性能を長期間維持できる耐候性にも優れています。

オートンイクシード関連ページ

コーキング補修工事には2つの種類があります

打ち替え
これまでのコーキング材を取り除き、新たにコーキング材を充填する

増し打ち
これまでのコーキング材の上にコーキング材を重ねて充填する
理想は打ち替えですが、部位によっては増し打ちの方が適切なこともあります。
例えば窓枠やサッシ周りは、形状によってはこれまでのコーキングを撤去できないこともありますし、無理に撤去しようとすると窓枠やサッシを傷つけてしまう可能性もあります。
窓枠やサッシを傷つけてしまうと、それが原因となって雨漏りする可能性が高まります。
街の外壁塗装やさんではサイディングとサイディングの繋ぎ目の部分については必ず打ち替えを行いますが、窓枠やサッシでは増し打ちを推奨しています。
コーキングについてのよくある質問⑤



コーキング材は打設直後には柔軟性もありますが、徐々に硬化し肉痩せや亀裂を起こします。
この傷んだコーキング材の上からコーキング材を増し打ちしても、内側からひび割れが拡大してしまうため雨漏りを起こす原因になりかねません。
こうなってしまうと、結局すべてのコーキング材を撤去し打ち直す、つまり打ち替え補修が必要となりますので、元よりコーキング打ち替えを行っておいた方が良いでしょう。
サッシ等のコーキングは元々陰になる箇所が多く、傷みにくいので増し打ちでも問題ありません。
外壁塗装と同時に行う場合、工程が前後することがあります

先打ち
外壁塗装前に打ち替えを行い、外壁塗装時にコーキング材にも塗装を行う。

塗装されることによって直射日光と風雨から遮られるので、傷みを抑えることができる。

コーキングの方が柔らかく、弾性に富んでいるため、表面の塗膜が割れてしまうことがあり、見た目が悪くなる。
後打ち
外壁塗装後に打ち替えを行う。コーキング材には塗装を行わない。

コーキング材の表面に塗膜がないので、割れなどが起こらない。

日光、風雨に晒されるため、傷みが早くなる。
コーキングの「先打ち」にも「後打ち」にもメリットとデメリットがあるので、どちらが良いとは一概に言えません。
一番良いのはオートンイクシードなど長寿命のコーキング材を使うことでしょう。

サイディングの繋ぎ目は動くことを前提に作られています
ワーキングジョイントとノンワーキングジョイント
前述のように、サイディングやALCの繋ぎ目は寒暖による伸縮、揺れなどによる破壊を防止するために設けられています。
この「動くこと」を前提に作られている繋ぎ目をワーキングジョイントと呼びます。
これに対し、動きが少ない部分に設けられる繋ぎ目をノンワーキングジョイントと呼びます。
窓枠やサッシ周り、コンクリートの継ぎ目地やひび割れ誘発目地(ひび割れの発生する可能性が高い建材の場合、ひび割れを集中させることを目的に設けられた目地)は動きが少ないので、ノンワーキングジョイントとなることがほとんどです。

ワーキングジョイントは2面接着
ノンワーキングジョイントは3面接着
動くことを前提に設けられているワーキングジョイントのコーキング材は、サイディングボードやALCの側面部分だけに接着させ、コーキング材の背面(底面)には接着させないのが基本です。
背面(底面)には接着させないようにバックアップ材やボンドブレーカーを挿入します。
背面(底面)も接着されてしまうと、その分だけコーキングの伸縮が制限されてしまうので伸び代も少なくなります。

動かないことを前提に設けられたノンワーキングジョイントは、防水性能から考えて3面全部にしっかりと接着される3面接着が基本です。
コーキング材の充填一つにしても、こういった知識を持っており、しっかりと施工してくれる業者を選ぶことが重要です。



お家の外回りで最も傷みやすいのがコーキングです。
モルタル外壁や金属サイディング外壁のお家ではあまり目立たないのですが、サッシ周りなどにも充填されています。
窯業系サイディング外壁ではサイディングボード同士の継ぎ目に充填されており、目視で点検することが可能です。
古くなってくると裂けたり、ひびが入ったりします。

こちらのコーキング材では可塑剤が流出してしまい、痩せて表面が黒ずんでいます。
可塑剤はベタベタしているので、染み出てくるとそこに埃が付着し、汚れてしまうのです。
また、こまかなひびも入っています。
この程度の傷み具合で打ち替えるのがお勧めです。


傷んでしまったコーキング材を撤去していきます。
カッターで切り込みを入れ、手で引っ張り出します。
傷みが軽度のうちはこれでほぼほぼ取り除けるのですが、あまりにも劣化しているとボロボロと崩れてしまい、手で引っ張り出すことは不可能になります。

目地の側面に残ってしまったコーキング材はカッターで削り、除去します。
そのままにしておくと、新しく充填したコーキング材の接着力が落ちてしまうからです。
お住まいが広いと一日に何回もカッターの刃を新しいものに取り替える必要も出てきます。


コーキング材とサイディングの側面の接着力を高めるため、プライマーを塗布します。
このページ内でも触れていますが、窯業系サイディングの継ぎ目はワーキングジョイントです。
ある程度動くことを前提に作られているので、側面同士の二面接着になります。
底面(画像の刷毛の先のグレーの部分)には接着させないことが理想です。

コーキング材を充填していきます。
側面同士の二面接着といっても、底面にコーキング材を触れさせないように充填するなんて器用な真似はできません。
なので、コーキングが充填されても底面に接着しないようにバックアップ材などを入れてから充填します。
シート状のものを入れてからコーキングを充填することにより、底面との接着を防ぐのです。

専用のヘラで押し込んでいきます。
中に空気を入れず、側面への密着度を上げるためです。
よく「均す」という表記を見ますが、それは微妙に違っています。
押し込みながら、均していくというのが正確なのではないでしょうか。

ヘラの持ち方を変えて違う方向から、押し込みながら、均していきます。
これで、ある程度固まったら、養生テープを剥がします。
完全に固まってしまうと、コーキング材に養生テープが固着してしまい、きれいに剥がせなくなります。
半乾き程度で剥がすのが理想なのです。


コーキングの打ち替えには外壁塗装前に行う「先打ち」と外壁塗装後に行う「後打ち」があります。
今回の場合、これから外壁塗装を行うので「先打ち」です。
コーキングも塗膜で覆われるため、後打ちよりも長持ちします。
外壁塗装とコーキングの打ち替えを別々に行うと、それぞれ足場代がかかって高額になってしまうので、まとめて行うことをお勧めします。

打ち替え工事
既存の劣化したコーキングを一度すべて撤去し、新しいコーキング材を充填し直す方法です。
費用の目安 | 900円〜1,200円/m (撤去・廃材処分費を含む) |

増し打ち工事
既存のコーキング材の上から重ねて新しいコーキング材を充填する方法です。
サッシ回りのコーキング補修では増し打ちをすることが多いです。
費用の目安 | 600円〜900円/m |

なお、上記はあくまでもコーキング補修部分のみでの金額となっており、実際の施工では足場の設置費用(約15万円〜25万円が相場)なども必要になります。
外壁では想像以上にコーキングが打たれており、補修時に剥がしてみるとその量・長さに驚かれるお客様も珍しくありません。
そのため、1メートルあたりの費用は他部分の補修に比べて安く感じるかもしれませんが、総合的に考えると大きな金額になります。
特に足場代は工事金額の中でもかなり大きな割合を占めますので、外壁塗装とコーキング補修はセットで行うことを前提に工事の計画を進めることがオススメです。

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外壁にとってコーキング材は雨水の浸入を防ぎ、建物の揺れに合わせた外壁材の破損も防いでくれる欠かせない存在です。
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コーキングとシーリングは外装補修において同じ意味・役割で使用されます。
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外壁の種類・向きによって目地の位置は変わりますが、雨漏りを防ぐという目的からコーキング補修は欠かせません。
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コーキングは太陽光や雨水によって劣化してしまい、安価なものでは3年程度で劣化し始めるケースも多いです。
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コーキング補修工事を行うには足場仮設が必要不可欠になりますので、この機会に外壁塗装工事もお勧めいたします。
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目地部分が黒ずんでしまうのはブリード現象を発生させる可塑剤が原因です。 綺麗な外壁を保つためには、ノンブリードタイプのコーキング材を使用しましょう。
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コーキングの先打ち・後打ちによっては外壁塗装と工程が逆になる可能性もありますのでそれぞれのメリット・デメリットを把握しておきましょう。
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外壁のコーキングは二面接着によって剥がれ・劣化を防いでいます。
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コーキングはサイディングやALC等外壁材の目地だけではなく、サッシ廻りにも施工されているため、どのお住まいでも補修の必要性があります。 定期的なメンテナンスで外壁からの雨漏りを防いでいきましょう。
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