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水性塗料と油性塗料、外壁塗装にはどちらが良い?違いとメリット
更新日 : 2023年02月27日
更新日 : 2023年02月27日
外壁塗装をする際に、最近では業者から水性塗料をすすめられることが多いのではないでしょうか。
昔は外壁塗装といえば油性塗料が多く使われていました。「水性塗料」と聞くと、なんだかすぐ落ちてしまいそうなイメージがあって、大丈夫なのかと心配になりますよね。
・水性塗料は早く劣化するのではないのか?
・水性というが雨が続く天気でも大丈夫なのか?
・臭いが少ないのは嬉しいけれど…
今回は、業者のすすめる通りに水性塗料を選んでも良いのか、外壁塗装における水性塗料と油性塗料の違いとメリットを解説し、どちらを選べば良いのかを判断するポイントを解説します。
水性塗料は水で希釈する塗料
塗料の成分
塗料の主な成分は3つで「樹脂」「顔料」「溶剤」です。塗装した後「樹脂」「顔料」は塗膜となって外壁を保護する成分となり、揮発する「溶剤」とに分かれます。
また、この3つの主成分以外に塗膜にツヤや弾性などの機能を追加するために「添加剤」も入っています。
「油性塗料」とは、樹脂を溶かして塗りやすくするために使用する臭いの強い有機溶剤(シンナー)を使用する塗料のことを指します。
逆に、シンナーではなく水を使うのが「水性塗料」です。
主成分①:顔料
顔料は塗膜に色を付けるための成分です。エナメル塗料とクリア塗料とがあります。
主成分②:樹脂
樹脂は塗料のグレードと耐用年数を決定するものです。アクリル樹脂やシリコン樹脂、フッ素樹脂など様々な種類があります。
主成分③:溶剤
油性塗料は有機溶剤であるシンナーを使用しますが、水性塗料は水で成分を溶かしています。
添加剤
例えばツヤが出ることが嫌な人には、ツヤ消しの添加剤を入れたり、塗装の腐食を防ぐための防腐剤やカビを防ぐ防カビ剤などがあります。また、塗装工事をする施工上の工程で気泡跡や塗料が垂れないように防止する添加剤もあります。さらに、色むらを防ぐ色別れ防止剤や、粘りと外壁に定着しやすいようにするための添加剤も入れることがあります。
水性塗料と油性塗料の違い
水性塗料は油性塗料と何が違うのか見ていきましょう。前述にもあるように最大の違いは、塗料を薄める役割の溶剤が異なるところです。
油性塗料は、塗料を溶かすためにシンナーなどの有機溶剤を用います。水性塗料は、水で薄めて使用します。この時の水はきれいなものなら水道水でもOKです。
塗装した時に、油性塗料はシンナーなどの有機溶剤が揮発し塗膜が形成されます。その際にシンナーのきつい臭いが発生し、塗装工事の最中は近隣に異臭で迷惑をかけてしまうこともあります。また、仕上がった後も数日は臭いが残るでしょう。
水性塗料の場合は、水が蒸発して乾燥し塗膜が形成されていきます。水が蒸発するので、油性塗料のシンナー臭とは異なり強い臭いはしません。近隣に大きく影響を与えることもなく、ご家族や塗装工事をする職人にも優しいのです。
それでは水性塗料と油性塗料を比較した場合、長持ちする塗料はどちらなのでしょうか。シンナーが入っている油性塗料の方が強そうに思いますよね。
確かに、油性塗料の方が一般的に耐久性があり長持ちすると言われます。ですから昔は、油性塗料が主に使われていました。
ところが嬉しいことに、今は塗料メーカーの技術開発により油性塗料と水性塗料の違いはほとんどなくなっているのです。
以前から油性塗料はシンナーなどの有機溶剤が人体に悪影響を及ぼすということから問題視されていました。そのため塗料メーカーも、求められる水性塗料の開発に注力し続けてきた結果、今のような油性塗料と水性塗料の差を気にせず外壁塗装ができるようになったのです。
今現在、外壁塗装の主流は水性塗料です。
以前は外壁塗装に使用する塗料は油性塗料のみで、シンナーなどが含まれた有機溶剤を使わなければ外壁塗装工事は不可能でした。
しかし、以前の油性塗料はきつい臭いがするため、嫌厭され、管理や体調面での問題も多かったのです。
水性塗料が開発された当時は、油性塗料に比べて耐久性がなく性能が低い分価格も安かったようです。
最近では、水性塗料のレベルアップにより耐久性に優れた塗料が続々と販売されています。
※出典:社団法人日本塗装工業会
水性塗料でも長寿命な塗料
その中でも特に注目されている塗料は、ラジカル制御型塗料です。「ラジカル」とは塗料を調色するときに使う酸化チタン(白色顔料)に太陽光の紫外線が当たることで発生するエネルギーのことです。その発生したラジカルは、塗料の樹脂や有機顔料を劣化させてしまう悪影響があります。
そのラジカルを制御し抑え込むことができるのがラジカル制御型塗料なのです。
それ以外にも、低汚染性に優れた水性塗料があります。
低汚染塗料とは、汚れが付きにくく、また汚れが落ちやすいような構造をもった塗料のことです。汚れがつき易くなれば藻などの原因にもなり、塗膜を傷めますから、汚れにくいことは長寿命につながります。
このように水性塗料も品質がレベルアップし、良質な塗料が開発されラインナップも豊富になっています。その性能は油性塗料と比較しても大きく変わらないので、最近では塗装業者も水性塗料を薦めやすくなり、臭いや健康被害のリスクを考えている方も水性塗料を選ばれることが多くなりました。
日本ペイント「パーフェクトトップ」
業界売上No.1の日本ペイントが2012年に発売し、シリーズ累計で戸建て60万棟分の販売実績を持つパーフェクトトップ。信頼性が高く外壁塗装にはスタンダードな水性塗料です。ラジカル制御型塗料できれいが長持ちするのでコストパフォーマンスにも優れています。バラの香りのパーフェクトトップローズもございます。
エスケー化研「エスケープレミアムシリコン 」
エスケー化研を代表する水性塗料です。ラジカルを徹底的に抑えるとともに、超耐候形特殊ハイブリッドシリコン樹脂が従来のシリコン系塗料よりも高い耐候性を実現し、なめらかでつややかな塗膜を形成します。(つや消しも可能です。)
シンナーのような強い臭いがない
水性塗料の最大のメリットはシンナーの強い臭いがしないことです。油性塗料は塗料が乾燥するとき、シンナーが蒸発するので臭いが発生するのに対して、水性塗料は水が蒸発するだけなので臭いはほとんどありません。しかし無臭ではなく、独特の臭いがあります。
引火のリスクが低く安全性が高い
シックハウス症候群や大気汚染の原因とされている揮発性有機化合物(VOC)の排出がなく、室内環境基準フォースター(F☆☆☆☆)を満たしたものが多いのが水性塗料です。油性塗料のようにシンナーを含んでいないので火災などの危険性もありません。引火のリスクが低いため管理もしやすく、保管場所や施工場所にそれほど気を使わないので扱いやすい塗料といえます。
また、水性塗料の場合は使用した道具を水洗いできることも、安全で使いやすいといえるのではないでしょうか。
※環境省 水・大気環境局 大気環境課 すぐにできるVOC対策より一部参照1液型が多く職人も使いやすい
水性塗料、油性塗料ともに1液型、2液型があります。☑ 1液型…塗料缶は1つでそこに水やシンナーを混ぜて使用する。
☑ 2液型…塗料缶が2つあり、主材と硬化剤に分かれている。
2液型は塗装する直前に主材と硬化剤を混ぜてから水やシンナーで薄めます。そのため混ぜたらすぐに使わなくてはいけません。
水性塗料は、比較的1液型が多いため混ぜる手間もなく、すぐに使用できることから非常に便利です。作業をする塗装職人としても扱いやすく無駄がありません。
一般的に油性塗料と比較すると耐久性が低い
水性塗料は使い勝手も良く臭いも気にならず、安全性が高いというメリットはあるのですがデメリットもあります。水性塗料の性能も油性塗料のレベルまで上がっているとご説明しましたが、相対的に見るとやはり油性塗料に劣るものが多いです。ただその分全体的には水性塗料の方がやや安いかもしれません。水性塗料も油性塗料もグレードと価格が比例しているといって良いでしょう。
おすすめできる水性塗料も豊富にありますから、特に耐久性が気になる方はご相談ください。
乾きにくいため気温と湿度に左右される
水性塗料が乾燥し仕上がる時間は、油性塗料と比較するとその日の天気に影響されやすいというデメリットがあります。やはり気温と湿度の影響は大きく、油性塗料のように揮発しないため水性塗料は乾きにくいといえます。特に寒冷地の冬などは、気温が低いため乾きにくい環境になります。また、湿度が高くカラッと晴れる日が少ない地域でも乾燥に少し時間はかかるでしょう。
雨の日は水性塗料でも油性塗料であっても乾燥に影響することには変わりありません。
水性だから水で溶けるの?
水性塗料は水で薄めて作るため水に溶けるのでは、と思っておられる人もいるかも知れませんが、そんなことはありません。乾燥すれば油性塗料と仕上がりは変わらず塗膜が雨を弾きます。ただ、塗装工事の最中に雨が降ってくると、乾く前に影響が出る可能性もあるので注意が必要です。プロの優良業者なら、天気を考え作業をすすめますからほとんど問題ないでしょう。
外壁は水性・屋根は油性がおすすめ
外壁は油性塗料ではなく水性塗料が主流になっていることが分かりましたが、屋根の塗装はどうなのでしょうか。屋根は外壁と同じように外部にあり、いつも強い紫外線や雨風にさらされています。しかし、同じ外部にあっても屋根は建物の最も紫外線の当たる場所で、外壁よりも過酷な条件のもとに存在します。
そのため、屋根塗装を行う場合は、強い紫外線や熱に対応できる油性塗料がおすすめです。屋根なら臭いは上へ拡散されていきますからあまり心配はいらないでしょう。日中ずっと紫外線が当たっている過酷な状況の屋根は油性塗料で対応し、きつい臭いや人体への健康被害、近隣への影響を回避する水性塗料は外壁塗装に使用すると良いでしょう。
金属には油性が安心?
水性塗料のデメリットとして、油性塗料に比べて乾きにくいというところがあります。考えてみれば当たり前の話ですが、水の蒸発とシンナーの揮発のスピードはどちらが早いかということですよね。そのため水性塗料は窯業系サイディングやモルタルなどの素材には吸収されやすいこともありよく馴染みます。
しかし、アルミやステンレス、鋼板などの金属系素材には密着しにくい性質があるため、雨樋や破風板、軒天などの付帯部分の塗装にも直接塗装は向かない場合もあります。
その場合は、油性の下塗り剤を使用する、素材に合った下地処理をするなどで問題なく水性塗料も使用することができます。
また、金属素材にも使用できる塗料も開発販売されています。
日本ペイントの「水性ファインSi」は鉄部の塗装を可能にしたオールラウンド型水性塗料です。鉄製の素材のものやその他金属系、コンクリート素材まで広い範囲の素材をクリアしています。
水性というと塗料としての品質が低いのでは?とご心配な方、ご安心ください。塗料メーカーによる改良が重ねられた結果、現在は水性塗料でも耐久性の高いものがたくさん出ています。むしろ臭いが少なく安全で環境と人にやさしい塗料です。
「臭いが少ない塗料が良い」「汚れにくくて長持ちする塗料は?」
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水性塗料と油性塗料、外壁塗装にはどちらが良い?まとめ
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水で希釈する塗料を「水性塗料」と呼びます。有機溶剤で希釈するものが「油性塗料」です
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水性塗料はシンナーなどの有機溶剤を使用しないので強い臭いはありません
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一般的に油性塗料の方が耐久性が高いですが、水性塗料でも遜色ないものが販売されています
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紫外線の影響を受けやすい屋根には油性塗料をおすすめします
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金属素材には下地処理や下塗り材を工夫することで水性塗料も使用できます
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現在の外壁塗装の主流は水性塗料です。ご心配がある方はお気軽にご相談ください
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